「北斗の拳」で、ケンシロウ最大の兄弟対決からレイの義の全うまで
「北斗の拳」で、ケンシロウが兄弟対決にて超越した、己の肉体
「北斗の拳」の物語における、ケンシロウとトキ、そしてラオウとの北斗兄弟達の第一回目の再会から、いよいよ遂に、遂にケンシロウ対ラオウの戦いの場面に差し掛かってきました!!
話しは戻りますが、トキ対ラオウの兄弟対決においては、その互いの闘いのプロ同士の対峙する凄まじきエネルギーがゆえに、トキとしてもさすがに病の進行による負担は隠せなかったようです。
まさにその場面においてこそ、トキはケンシロウに対して、我が身ももはやこれまでかとばかりに、覚悟を決めさせたのです。
それもあくまで「北斗の拳」における主人公としての北斗神拳伝承者はケンシロウただ一人であり、そのためにはゆくゆく避けては通れないであろう、一子相伝の定めに基づく運命の決着のためであったと考えられます。
ケンシロウがラオウとの決着をつけようとしたその際に、トキはケンシロウの動きを自らのラオウ対決の間のみ制止しておくための秘孔を突いておきました。
この時点での「北斗の拳」の物語においては、何度と繰り返すまでもなく本当のクライマックスとしての決着はまだまだ先である、という事です。
くしくもそれまでの北斗神拳約2000年の歴史の中で初めて、厳密に言うならばどういうわけか、ケンシロウにラオウ、そしてトキという3名の北斗神拳の使い手が世に送り出された、という結果になっているのです。
その一子相伝の定めに基づき選ばれた、北斗神拳伝承者のケンシロウが、何とこの一瞬たりとも切迫感の欠かせない場面において、トキが突いた秘孔を破ったのです。
かくしてケンシロウ対ラオウの、命運をかけるべく兄弟対決が遂に決着を迎えるか、と思わせたその際に、ケンシロウ自ら実証したのが、「俺の魂は肉体を超える」という真実だったのです。
言い換えれば、ケンシロウはこの度の兄弟対決においては、あくまでも北斗神拳伝承者としてだけでなく、一人の生粋な人間としての闘いの本質をラオウにトキ、そしてバットにリンと闘いを見届けていたすべての人に対して教えたのです。
従って、その誰もの予想を遥かに超えたケンシロウの闘いの本質の
全てが、この度のラオウとのぶつかり合いによって、明らかなものとなるのです。
「北斗の拳」の世界においては、拳法を極めたもの同士は完全に互いの技を見切れるものではなく、あくまでもただ壮絶な捨て身同士の向き合い以外の何物でもない、とトキそしてレイまでもが見抜いているのです。
よってこの度の、ケンシロウ対ラオウの兄弟対決の序章におけるハイライトスポットとしては、結果的に相打ちという型で先ずひと段落しました。
これからこそがまさに、「北斗の拳」の物語における、永遠の死闘へと突き進んでいくことになるのです。
「北斗の拳」で、ケンシロウとその兄弟達を見届けたレイの運命
「北斗の拳」の物語も、最大の見どころとしてのケンシロウ対ラオウの兄弟対決における相打ち場面より、いよいよ南斗聖拳の「義」の星を持つレイもまた、残り3日の余命を賭けた壮絶なる死闘へと、導かれることになるのです。
その大きなきっかけとしては、レイがマミヤについての知られざる悲劇の過去を教えられたことでした。
もともとマミヤはユダという、南斗聖拳のうちでも「裏切りの星」と呼ばれる妖星を持つ人物より全てを奪われて囚われの身となって闘う事を運命づけられます。
数日後、命からがら脱走に成功して村に戻ってからも、女であることを捨てて、ただ敵から村を守ることに命を賭けてきました。
マミヤにこうして女を捨てて闘う事を運命づけた妖星のユダですが、相も変わらず各地から美女達を拉致して自らのモノとしておりました。
一方のレイの立場としては、マミヤという存在が、この世で最も愛した女性であったという事から、残されたわずかな時間を賭けて、ケンシロウと共に因縁を晴らすべくユダを探し続けました。
遂に村に現れたそのユダですが、再びマミヤの姿を見つけて身柄を拘束したのです。
そこに駆け付けたレイとユダの、いよいよ命運を大きく分けるべく、息を飲むような壮絶な死闘が始まったのです。
元々このユダという人物は、ただ単に自尊心が並外れて高かった、というだけでなく、自らがこの世で最も美しいとまでの陶酔感の持ち主だったようです。
したがって、かつて南斗水鳥拳のレイの動きに心を奪われて以来、ただただいずれかはレイに対して屈辱を晴らすことに固執していたようです。
ましてや余命いくばくもなくなったレイの姿を目の当たりにしては、ユダにとって何よりも止めを刺すことが先決でした。
にもかかわらず、最後の時が迫ったそのレイの動きたるもの恐るべきもので、以前よりも増して南斗水鳥拳の切れが鋭くなり、いざユダと拳を交えるも、この対決レイの優位で展開されていきました。
この闘いの最中に、実はユダによる策略でダムが破壊されて村が水没の危機に瀕しました。
それにより、レイの足の動きは一時その水の流れに奪われかけるも、ケンシロウの手により水の流れが阻止され、ここで再びレイが優位に立ち始めたのです。
「ここぞ勝機!!」とばかりに、レイが宙に舞うとともに、ユダは再びかつての様にその南斗水鳥拳の動きに目を奪われてしまい、遂にここでレイのユダに決着をつける、という一つの義の使命が全うされたのです。
かつてはただひたすら世を恨み、復讐の鬼として生きてきたはずのレイでした。
そんな彼自身がケンシロウにトキ、バットにリン、そしてマミヤと出会うことにより、本来の自らの使命である「義」に目覚めて、仲間たちのために命をかけて戦う生涯を送ってきたのです。
その一環としてまた、ケンシロウとトキの、ラオウ相手にした北斗兄弟対決を見届けることにより、より一層仲間たちとの信頼関係を揺ぎ無き強固なものとしたのです。
この義に目覚め、そしてその生涯を実直に徹して生き抜いて来た、レイという男の最後は、凄絶なるものでした。
自らの砕けていく姿を誰一人として見せたくない、との意思に基づき、小屋にこもってその最期を迎えたのでした。
何がレイをそこまでさせたのか、という事ですが、まず一つは、マミヤというこの世で最愛の女性のためにわが命の全てを賭けようという、その揺ぎ無き心構えです。
もう一つは、ケンシロウ始めとした仲間達のために闘う事で恩返しする、という事と、実はまだこの件について、私の方から言いたいことがあるのです。
何度となく「北斗兄弟対決を見届けた」とは言ってきましたが、実は少なくともオリジナルのコミックの物語に沿って行くと、南斗六聖拳の中でも、最もケンシロウ始めとした、北斗兄弟たちとは関りが最も大きかったと見られます。
少なくともケンシロウとの登場場面が、他の南斗六聖拳の中でも最も多かったようです。
息を引き取る間際のレイのケンシロウに対するセリフにも、北斗神拳伝承者として、この乱世に光を呼び戻すために生き続けよ、という忘れてはならない決定的な場面もあります。
したがって、今後ケンシロウが迎えることになる北斗神拳伝承者としての命運を賭けた、かのラオウとの兄弟対決のためにも重役を果してくれたのだという事です。
今回の話においては、このケンシロウをはじめとした北斗兄弟のために尽くしてきた「義」の星のレイからは、何事にも翻弄されず、いかなる場面においても常に捨て身の姿勢を忘れずに誰かのために尽くす、という事を、これでもか、というほど教えられたように感じております。
今回紹介した「北斗の拳」のアニメのご視聴については、こちらよりお願いします。👇
※以上に紹介した内容としては、「徳間書店」より2004年に初版発行されたコミックからの情報です。
したがって、アニメとは場面が異なる場合もございます。
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