「北斗の拳」はアインの、語り継がれる英雄的な死に様
「北斗の拳」はアインの死に様より学ぶ、信頼関係の鏡
「北斗の拳」天帝編、それもアインが正しく我が身を賭して天帝の身を守っただけではなく、ケンシロウとファルコの死闘に決着を付けるべく場面に差し掛かってきました!!
そのアインの生き様のみならず、死に様までもが、バットの
自分の好きな奴のために、世の中を変えてやる
というセリフが証明しているように、「北斗の拳」における、凄絶な混乱を嘆くよりも、
どうせ俺達の命が短いのなら、平和の為に完全燃焼し尽くそう!!
という、誰もにとって最大のお手本としての鏡以外の何ものでもなかったのです。
「北斗の拳」天帝編の原作のあらすじからしても、アイン自身元々賞金稼ぎの身であったと言っていることから、帝都側即ちむしろ覇権側に付いていたことが読み取れます。
以降のアインとしては、おさらいにはなりますが、賞金稼ぎとしてケンシロウと拳を交えたり、時には仲間の裏切りにより愛娘のアスカを人質に取られるような局面をも乗り越えつつ、バットのおかげもあって、次第に平和を目指す生き様へと導かれていったようです。
そして何よりも、アイン自身にとってだけでなく、「北斗の拳」史上における名言として是非とも挙げておきたいセリフとしては、
俺も男になりたくなった、語りつがれる男にな!!
というものがあります。
という事は、まさにこの時点で、いかにも高潔な死に様を望んでいたという、最大の着目点としてこれもまた見逃せない場面であります。
というのも、その目的としては、ファルコとの闘いの末に語り継がれる死に様を望んでいたのかも知れません。
実はまさにこの度紹介しているアインの名ぜりふに当てはまるような場面が、既にそれ以前に登場していたのです。
「北斗の拳」史上でも絶対不可欠な義の星のレイの名ぜりふですが、
男達の命は短い
あとは死に方の問題だ
という彼なりのラオウと闘い、そして妖星のユダとの宿命の闘いに殉じていった、その言うまでもなく高潔で胸を締め付けて止まない死に様が描かれておりました。
いかにもそのレイの生き写し的な完全燃焼の生き様を示し、そして仲間たちの信頼関係の為に尽き果てる死に様というべきものを、アインは分かりやすく証明してくれたな、というところです。
「北斗の拳」天帝編でのアインの、クラスマックスにおける死に様
いよいよこの天帝編にて、アインがまさにバットやリン達と共に天帝の正体を知り、そしてその天帝を長年の窮地から救い出す場面及びその高潔なる死に様という、「北斗の拳」史上最大のクライマックスへと突入です!!
以前お話しした、天帝を人質にとったジャコウによる最期の手段として仕掛けた罠により地下室へと転落した、その場面からまさにアインの英雄的な役どころが展開されていったのです。
ちょうどケンシロウとファルコの、宿命を賭けた死闘が凄絶なデッドヒートを繰り広げていた、その時でした。
恐らくジャコウによる、最後の止めかと思われた巨大な岩が地下室に崩落してきたのですが、まさにそれをアイン一人で我が命を差し出すようにして受け止め、地下室にいた皆を危機一髪で救ったのです。
そのため、アインは瀕死に追い込まれる羽目となるも、ここでまさに最後の力を振り絞り、ケンシロウを救う手段に出たのです。
岩盤を叩いて地下室を噴出させることにより、その結果として先ほど言ったようにファルコとの闘いを制止する型となりました。
正しくそのクライマックスこそが、アインの全身全霊をこめたという表現では語り尽くせないほどの、英雄的な一大場面でした。
「北斗の拳」天帝編の主人公に相応しい、アインの死に様
かくして、「北斗の拳」天帝編最大のクライマックスの締めくくりの地点における、アインの死に様を語る時がやってきました!!
視点によっては、このアインの役どころとしてもまた、「北斗の拳」天帝編の主人公に相応しいものではなかったのかな、というところです。
見事に岩盤を叩き割って地下水を噴出させるも、既に全ての力を使い切ったアインとしては、ケンシロウとファルコの闘いの終わりを見届けることは叶いませんでした。
それでも、アインとしてはまさに今まで愛娘のアスカだけでなく、ケンシロウやバットそして天帝の命も救えたし、もう一片の悔いもなく自らの使命は全うした。
そこまで悟ったかのような、これまた孤高の英雄の主人公なりの死に様でもありました。
これにて、かつて天帝の名のもとに築かれ、「北斗の拳」新章における新たな巨大勢力として覇権の道を突き進んで来た帝都は崩壊し、アインの遺体はアスカを預けてあった、マミヤとアイリの村に手厚く葬られる型となりました。
アスカは残念ながら、リアルタイムで父の死に様を見届けられなくとも、「自分が泣いたら、父は眠れない」との志をもとに、ケンシロウにアインの形見である手袋を渡したのです。
ケンシロウもまた、アインの死に様を見届けられなくとも、素晴らしき強敵の一名としてのアインに報いるべく、自らの宿命の果てしなき旅路へと突き進んでいったのです。
今回の「北斗の拳」天帝編における、アインの生き様だけでなくその死に様からは、我々としても信頼関係の為に自らの与えられたことに責任を持つという事ら対する学びが得られるのではないか、という事です。
その場その場において常に自分自身が果たすべく責任は何か、という命題にも、アインの生き様と死に様が的確に答えてくれたような、そんな物語でもありました。
まさにこの課題を一つ一つこなしていってこそ、どの場面においても一人一人が主人公である、という意識にも結び付くのではないでしょうか。
「北斗の拳」天帝編のテレビアニメについてもまた、下記よりご視聴いただけます。👇
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