「北斗の拳」の妖星ユダが、義星のレイを導いた役割とは
「北斗の拳」の妖星のユダがいてこそ、レイは本来の役割を果たせた
「北斗の拳」については本サイト絶対不可欠な物語として投稿させていただいているのですが、今回は前回の話にも出てきたユダという、南斗六聖拳の妖星を持つ人物の視点から、宿敵でもあったレイにとっては如何なる存在であったか、という事からまず入っていこうと思います。
さて、ここ直近における「北斗の拳」関連の投稿においては、例えば南斗六聖拳で言えばシンにレイという名をなぜまたまたここで出ださねばならないのか、という風にしつこく思われるかも知れません。
がしかし、実は私もリアルタイムで見てきた「北斗の拳」のテレビアニメにおいても、今回のユダを始めとして、南斗六聖拳に代表されるべく人物の「回想編」みたいな感じの話しが数回あって、それこそがむしろこの「北斗の拳」の物語をより一層質の高いものとしてくれているな、と考えた上での投稿をさせていただいております。
言い換えれば、「北斗の拳」のケンシロウにとって宿命的に乗り越えなければならなかった強敵達の美学の次元での生き様を今一度振り返ってみよう、と私なりに考えているのです。
「北斗の拳」の登場人物の中でも、特に南斗六聖拳については、平和を志す側(レイ、シュウ)と、覇権の野望を持つ側(シン、サウザー)という風に大きく二分されました。
すなわちユダは後者の側に付き、自らをして「この世で最も強く、美しい男」との極度も言えるナルシストな性格も相まって、その覇権の野望は益々膨らむばかりだったと思われます。
そのため「北斗の拳」においては、ユダという存在もまた、レイやシュウとはむしろ対照的に、一種の乱世における嫌われ者の敵キャラとして認知されているようです。
しかし、例え一見やり方が汚いと思われようが、そんなキャラクターの枠組みは度外視して見つめ直してみると、少なくともレイの義に当てはまるべく役割がユダにも何らかの型であったことが、「北斗の拳」の物語においては紛れもなき真実です。
そんな視点を基に、ユダの「北斗の拳」の物語における、妖星としての宿命は如何なるものであったのか、という事ですが、怪しいと言わせるほどの異端児的な存在として、レイにも異常なまでの対抗意識をもってして、その義の宿命を目覚めさせる役割をしたというのがまず、外せない1つの焦点となってくれております。
かくして、「北斗の拳」ではユダにより、レイを宿命の対決まで導いたのですが、更に高い視点に立ってみると、このユダは「北斗の拳」の物語自体においても、実は更なる重役を果していたのではないか、という事です。
「北斗の拳」の妖星ユダはレイとの対決により、主人公をも宿命づけた
この妖星ユダ本人としては、実は直接的にはケンシロウと拳を交えてはいないものの、レイとの対決を展開することにより、これがまたケンシロウにとっても今後のゆく道を決定すべく一大場面となってくれたな、という感覚も同時に存在します。
というよりもそれ以前に、「北斗の拳」においては、実はこのユダについて最期を間近に迎えたレイの口から、ユダが拳王ことラオウと手を結んで覇権を目指すことによって南斗六聖拳は崩壊に導かれ、その悲劇は殉星のシンを始めとして、今まさに序章の幕を開けたとの証言がなされました。
この証言からはまた、「北斗の拳」でのユダの役割がいかに主人公のケンシロウにとっても裏でその宿命を目覚めさせるための重役であったか、という事も読み取れます。
したがって、レイからもケンシロウは言うまでもなく闘いというものを学んできて、最期を迎えたレイとの場面では、救世主として果てしなき宿命の闘いを勝ち抜いていくことを約束したのです。
「北斗の拳」ではユダは確かに自ら妖星の宿命とは、裏切りであったり知略であったりと言っております。
そのユダとしては、結果的にはケンシロウをもまたゆくゆく勝利へと導いていった存在であり、レイの義の星の強さを潔く認めたユダは、自らの妖星としての宿命を果したことを悟った上、かつて自らの帝国の捕虜であったマミヤに対しても自身の弱さを認めて、その生涯に幕を閉じたのでした。
「北斗の拳」の物語の愛好家達の間では、ユダという存在がいかに嫌な奴で苛立ちすら感じるような存在であったとしても、今回お話ししたように、ケンシロウの重役のためにも一役買ったという、なくてはならない存在でもあったという事です。
我々の日常生活においてももし、何か嫌われ役である相手が現れた時は、それが一体何を意味しているのかという事も一旦考え直した上で、以下に上手く向き合っていくか、という事もまた「北斗の拳」のユダから学び取れるような感覚でおります。
毎度紹介している「北斗の拳」の物語ですが、以下よりアニメのご視聴が可能です。👇
※以上に紹介した内容としては、「徳間書店」より2004年に初版発行されたコミックからの情報です
従って、原作とは場面が異なる場合もあります。
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