ケンシロウをラオウとの戦いに導いた、真なる悲劇の序章
ケンシロウにとって、ラオウとの戦いの道はこの悲劇によって開かれた
「北斗の拳」での、ケンシロウをラオウとの戦いに導くべく、非情なる悲劇の幕開けがまさに、今まで書いた通りの孤高の天狼星を持つリュウガによってなされました。
その結果としては、リュウガの望む通り北斗神拳伝承者としてのケンシロウの怒りを無限に開放し、今後ともケンシロウの怒りがラオウとの命運をかけた戦いにも発揮されるであろうとまでに、決定的で揺ぎ無きものでした。
一方、ラオウとのかの宿命の戦いでケンシロウに絶対不可欠なお手本を示したトキですが、リュウガに対してその北斗神拳伝承者としての怒りがいかなるものかを示したケンシロウの前に現れ、今まさにすべてを悟り切ったことをケンシロウに教えたのです。
実はリュウガがラオウ側に付いたことを示すべく、村を襲撃して狂気の限りを尽くすその前には、既に自分自身で切腹という型で止めを刺していたのです。
実はこの止めを刺す、という行為ですが、トキもラオウとの戦いの際にもラオウに近づくとの志に基づき、ケンシロウと同じく剛の拳を得ようとして、致命の秘孔を付いていたのです。
かくしてケンシロウに対し、トキもリュウガと共に自分自身の宿命を命懸けで全うする、という事は如何なるものかをという事もまた、行動をもって示したのです。
従ってこの場面におけるトキとリュウガの行いからは、過酷な現実において重責を背負いそしてそれを実行に向けるという事自体、ここまで劇的な場面である、というお手本もまた、我々に教えてくれたのです。
ケンシロウにとって、ラオウとの戦いのためにも真なる悲しみを怒りに
ケンシロウに対して起こるべくして起こった、トキとリュウガの悲劇ですが、実はこれがただの悲劇で完結してしまっては、「北斗の拳」の物語自体が成り立つはずがありません。
何度も繰り返しますが、ケンシロウにラオウを始めとした戦士たちはそれぞれ、
時には非情とも言うべく使命を背負い続け、そしてそれを実行に向けてある者は生き抜き、ある者は平和を志して散っていく
それこそがまさに「北斗の拳」の物語の肝心要であったのです。
この最終場面において、ケンシロウがトキから教わった神髄とはまさしく「真なる勝者とは、悲しみを怒りに変えるものだ」という、決してごまかしの効かないものでした。
勿論既にトキとしても、リュウガがなぜ狂気に走ったのが、その動機をあくまでも非情の宿命によるものだと悟っていたのです。
おさらいにはなりますが、リュウガの天狼星の宿命とは、天帝の使者であるがゆえに乱をもってして北斗の戦士をもまた宿命の戦いへと導く、というものでした。
この天帝の使者としての使命を背負った戦いによってこそ、ケンシロウの北斗神拳伝承者としての資質を見抜き、そしてその資質を解放したリュウガでした。
更にそのうえ、実はこのリュウガがケンシロウがかつて愛したユリアの兄であったと聞かされ、より一層例えようもない悲しみがケンシロウを襲う場面となったのです。
にもかかわらず、まさにこの場面こそがまさに、トキはラオウとの戦いを近くに控えたケンシロウに対し、
お前に悲しんでいる余地などないはずた。悲しみを怒りに変えてこそ、勝者となり得るのだ」
と教えた、「北斗の拳」の物語においても最大のハイライトスポットとして、今日まで語り草となっております。
さらにトキはケンシロウ対し「ラオウの野望による恐怖の支配は完成間近だ! よってその後の世界の平和を築き上げるのはお前次第!!」との遺言を残しました。
今までこの乱世における宿命に殉じてきた戦士たちと共にケンシロウを見守るとの意思を込めて、リュウガを抱きかかえつつその凄絶な生涯の幕を閉じたトキでした。
ケンシロウにとっては、最愛以外の何物でもないとトキという、なくてはならないお手本的な存在との非情な別れの場面に向き合った彼は、リュウガの居城に火を放って、手厚く乱世における宿命に準じた戦士たちの霊を弔ったのです。
勿論、私にとっては何度観ても胸を熱く締め付ける場面以外の何物でもないのは言うまでもありませんが、訪問者さん達としてもこの思いは恐らく私と変わらないはずです。
ラオウとの戦いにおいては非情に徹せよとばかりに、トキとしては「私に対する情や悲しみは一切捨てよ」とケンシロウに教えた潔いまでの最終場面でもありました。
こうしてケンシロウにとってのトキ亡き後のお手本はあくまでも自分自身でしかなくなり、そしてまたラオウがケンシロウにとっての唯一無二の強敵となり得たわけです。
とはいえ、ケンシロウ対ラオウの戦いはまだまだ貸し切り状態ではなく、その間には度重なる劇的な場面が展開されていくことになるのです。
「悲しみを怒りに」なる決定的な絶対不可欠のこの一代転換期の場面からは学びがこれでもか、これでもかというほど出て来るに違いないところですが、ひとまず今回としては私なりに以下の通りまとめたいところです。
ケンシロウをラオウとの戦いに導いていくことになった、このトキとリュウガの悲劇は、我々にとってもまたビジネスや対人関係などにおける局面を乗り越えていくには最大のお手本の1つになる、という事です。
今回紹介した「北斗の拳」のアニメのご視聴については、こちらよりお願いします。👇
※以上に紹介した内容としては、「徳間書店」より2004年に初版発行されたコミックからの情報です
従って、原作とは場面が異なる場合もあります。
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