「北斗の拳」でケンシロウ始め北斗兄弟と向き合った、「義」の戦士
「北斗の拳」でケンシロウとその兄弟達の運命に燃えた、義星のレイ
いよいよ間もなく「北斗の拳」の物語においても、最も視線を浴びるべくケンシロウ及びトキとの、ラオウ相手のそれぞれの北斗兄弟対決のお話を展開していきたいところではありますが、その前に実は南斗の人物であるレイに関しての話題も逃せないところではあります。
このレイという人物については、「北斗の拳」に登場してきた南斗聖拳の1つである南斗水鳥拳の使い手として、かつ人のために文字通り義を尽くす「義星」を持つ人物だったのです。
「そんなことよりも、早く北斗の拳のケンシロウとラオウの兄弟対決の話に入ってくれよ」
みたいに言いたくなるかも知れませんが、「北斗の拳」の物語においては、このレイという南斗の重要人物たるもの、南斗六星拳の中でもケンシロウとその仲間達とは最も近い存在であった、というに相応しいものであります。
言い換えれば、この義の星のレイという存在なくしても、北斗兄弟の凄絶なる死闘については語り得ないものだからです。
もともとこの南斗水鳥拳のレイとしては、ケンシロウ達の仲間として寝食を共にするようになるまでには、波乱に満ちた運命を歩んできたことが証言されております。
かつてケンシロウに成りすました北斗兄弟の一人のジャギにレイが妹アイリを奪われた上に両親を殺害され、以来レイはその「胸に7つの傷をもつ男」に対する復讐を目的として生きてきた、と語っております。
そのレイがケンシロウそしてバットやリンにマミヤと出会い、牙一族との死闘の場面に差し掛かっては、人質となったレイの妹アイリを巡って、一時はケンシロウとの対決にまで追い込まれました。
まさにこの牙一族との死闘の場面で、アイリを救出するために命を懸けた、という実体験がレイの生き様自体を大きく変える場面となり得たのです。
それまでのレイ自身の生き方としては、自らひたすら世を恨み復讐のためだけに生きてきた、と悟っていたのです。
牙一族壊滅後も「北斗の拳」の物語においてレイは、前にも書いた通りアミバにカサンドラのウイグル獄長とのケンシロウの死闘から、ケンシロウとトキとの運命の再会の場面にまで、常にケンシロウとその仲間達を支えてきたのです。
かくして義のために生きるという、本来の使命に目覚めたレイが選択した運命の闘いこそが、「北斗の拳」の物語りにおいては、ケンシロウにとっては言うまでもなく最大の強敵であったラオウとのあの場面だったのです。
「北斗の拳」でケンシロウとその兄弟のお手本となった、実直な生き様
「北斗の拳」の物語で、南斗の義星の戦士レイが示した生き様のお手本とは、言い換えれば実直さという言葉に尽きるものでもあった、と私は解いております。
少なくとも「北斗の拳」におけるような凄絶な乱世においては、ケンシロウにトキといった北斗兄弟の主要人物だけでなく、レイの様にあくまでもただ愚直で捨て身に徹するといった存在もまた、最善のお手本となり得たと見て的外れはないようです。
話はあちこち飛ぶようですが、ラオウとの対決の場面においても、レイ自身としてもあくまで犠牲を尽くすようにして戦うのが、ケンシロウやその仲間達に対する誠心誠意である、と語り尽くしています。
そのレイの実直さがゆえに、このラオウとの対決の後で展開されることになる、ケンシロウにトキそれぞれのラオウ相手の北斗兄弟の対決を寸分たりとも狂いなく見届けることになったのです。
ケンシロウがかつてユリアを愛してきたように、レイとしてもマミヤの女性としての幸福を心より祈り、その愛する女のために犠牲を払うようにして戦い抜く、という姿勢を貫き通したのです。
結果レイの最終場面としては、これまた同じ南斗六星拳のうちの1つである南斗紅鶴拳の使い手で「裏切りの星」と呼ばれる妖星を持つユダとの因縁の決着をつけるという型でした。
一方今後ゆくゆくはケンシロウにトキとしては、またまたラオウと因縁の対決、いやケンシロウとトキまでもが一子相伝の北斗神拳の非情の定めに従い拳を交えるという、北斗兄弟の未だかつてなかったほどの最大の死闘が展開される事になるのです。
「北斗の拳」の物語においては、これら凄絶なる北斗兄弟の闘いのためには、生涯にわたり実直に犠牲を尽くし続けたレイという存在こそもまた、2人とは見られないような決定的なお手本となってくれるものであります。
「北斗の拳」の物語におけるレイが示し続けた、ケンシロウはじめとした北斗兄弟を導いたように、わき目も触れぬ実直さそのものが、ゆくゆくはどこかの誰かの道を切り開くためのお手本となってくれかもしれない、という事を頭の片隅においてこそ、我々の生活の営みもまた質の高いものとなってくれることでしょう。
今回紹介した「北斗の拳」のアニメのご視聴については、こちらよりお願いします。👇
※以上に紹介した内容としては、「徳間書店」より2004年に初版発行されたコミックからの情報です。
したがって、アニメとは場面が異なる場合もございます。
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