悲劇の帝王・サウザーと、仁星のシュウの人を助け守り抜いた生き方
なぜサウザーは覇権を目指し、そしてシュウは平和を志したか
いよいよ「北斗の拳」の物語も、サウザーとシュウの対決そして両者が辿った運命というものを、語る場面に差し掛かってきました。
サウザーとはもともと南斗六聖拳の中でも、「非情の帝王の星」別名「独裁の星」とも呼ばれるある意味最強の存在である将星を持っておりました。
まずはそのサウザーについてですが、シュウが仁星として平和を志すのに対し、「北斗の拳」の物語に登場した当初においては、聖帝サウザーを名乗って、自らの帝国を模る「聖帝十字陵」の建設を急いでおりました。
そのサウザーによる手口というのが、その聖帝十字陵建設のために何と純粋で従順な子供をこき使うという、血も涙もない手法でした。
サウザーの一味はこうして、聖帝十字陵の建設のために相応しい子供たちを連れ去ろうとしたり、暴虐の限りを働いておりましたが、これに怒りを抱いていたのが仁星のシュウで、「レジスタンス」と呼ばれる聖帝サウザーに対する抵抗部隊を率いて登場したのです。
そのシュウについて、初登場の場面においては、いきなりケンシロウの北斗神拳伝承者としての資質を試すべく、対戦を挑んだのです。
シュウがケンシロウとの対戦のために披露した持ち技としては、南斗六聖拳の1つである「南斗白鷺拳」で、この人物も乱世において戦い抜き、そして散っていく運命を背負っていました。
さらにはそのシュウなる人物、盲目であるにも関わらず、流石にその技の切れと動きたるもの鋭いもので、聖帝サウザーの部隊との戦闘時は勿論のこと、ケンシロウとの対決においても恐るべきもので、一時は気配が読めぬほどまでにケンシロウを幻惑したほどの資質の持ち主でした。
まさにこのシュウ自身のセリフにも、「南斗乱れる時北斗現る」という決定的な証言通り、一時はケンシロウとしても、軍隊を率いていた以上は、サウザーと同じく覇権を目指す一人かも知れない、というのが第一印象でした。
このシュウ対ケンシロウの決着ですが、さすがにシュウの立場としても、自らが北斗神拳伝承者としてのケンシロウを試した価値がこの上なく高いだけありました。
というよりも、元々この南斗白鷺拳の使い手で、仁星を持つ人物が盲目にも拘わらずケンシロウを試したのも、聖帝サウザーと決着をつけることにより、自らの仁星の使命のために生涯を尽くす、といったところにありました。
サウザー対ケンシロウの闘いの局面、そしてシュウの息子シバとの対面
サウザーはとどまることなく自らの野望を果すべく暴虐行為を繰り返しておりましたが、シュウそしてケンシロウ共々この微笑の聖帝サウザーを倒すためにも、ここに揺ぎ無き信頼関係が生まれたのです。
次いでに言いますが、このサウザーの存在については、ラオウも聖帝十字陵の視察に訪れたりと、情報収集にあくまで余念がなかったようです。
いつもの如くシュウの抵抗部隊を成敗すべく、サウザーの一味が現れたある時、ついにそこに居合わせたケンシロウとサウザーの対面の場面に差し掛かりました。
サウザーの拳というのは、南斗最強の拳法と言われた南斗鳳凰拳というものでした。
一瞬はサウザーの踏み込みの速さにケンシロウとしても圧倒されるものの、そのサウザーの南斗鳳凰拳の動きはケンシロウに見切られ、サウザーとしてもケンシロウの動きすら読めぬほどに追い込まれました。
そこで、サウザーがケンシロウに北斗神拳の中でも最も破壊力の強いという経絡秘孔を突かれ、あと3秒というところまで差し掛かりました。
が、この非情の聖帝サウザーの体には、ケンシロウが放った技は全く効かず、ケンシロウとしてもそのあり得なさに圧倒されるのみでした。
その後もケンシロウがサウザーの秘孔を突こうとするも何の変化もなく、反撃に出たサウザーの鳳凰拳の前にケンシロウはなすすべもなく捕虜とされました。
実はこの聖帝サウザーがケンシロウを捕虜にしたその動機としては、自ら聖帝十字陵の頂上の石碑をケンシロウに積んで上がってもらって完成させよう、というものでした。
こうして聖帝サウザーの捕虜として囚われていたケンシロウの救出に成功したのが、何とシュウの息子であるシバという少年だったのです。
シバも父親のシュウと同じく仁星の使命に尽きることを、ケンシロウに対して固く誓っていました。
このシュウの息子シバのケンシロウの救出に対する命懸けの生き様たるもの、言いようもないほど凄絶な最期を迎えたのです。
サウザーの部隊である追手の囮として、自らサウザーの部隊と共にダイナマイトで無残に散ってしまったのです。
実は仁星のシュウが盲目となったその決定的な動機というものについて、後ほど紹介していこうとは思いますが、言うまでもなくシュウとシバ親子共々まさに誰かを局面から救い出しそして命を懸けて守り抜くという、壮絶な使命を全うすべき存在であったのはどう見ても揺ぎ無き真実です。
実はこのサウザーに対して命懸けであくなき抵抗を貫く仁星のシュウの姿勢というものは、今日の社会において治安を守るためにも不可欠なものだと私は思っております。
聖帝サウザーのような存在はなくとも、例えば子供たち相手の凄惨な無差別襲撃事件等いつ何時起こるかも知れないようなご時世です。
こんなご時世においては、いかに人を守り助けられるか、という事を、私なりの独断と偏見ではありますが、ひとまずは今回紹介したシュウそしてシバの果たすべく使命という視点から、学び取れたように感じております。
このサウザーとシュウ、そしてケンシロウとの「北斗の拳」におけるそれままでの物語の中でも、最も凄絶を極めたと思われる最大の場面についてのお話しはまだまだ続き、更にはそこからまたまた次々と新たなる学びの数々が出てくるであろう、そんなところが現時点での私として言えることです。
今回紹介した「北斗の拳」のアニメのご視聴については、こちらよりお願いします。👇
※以上に紹介した内容としては、「徳間書店」より2004年に初版発行されたコミックからの情報です。
したがって、アニメとは場面が異なる場合もございます。
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