「北斗の拳」はショウキという、変化の波を生き抜いた戦士の物語
今回は「北斗の拳」関連の話題ですが、これまで登場してきた人物達の中でもショウキという、よく知られがちな例えば南斗六聖拳の戦士達等とはまたまた異なった役柄と、資質の持主の生き様を紹介していきます。
とはいっても、「北斗の拳」のキャラクターの中では恐らく余りピンと来ないかも知れませんが、少なくとも原作漫画とテレビアニメの共通キャラであったという視点からも、無論不可欠な重役であることは拒めません。
で、このショウキが登場した場面についてですが、元々は「北斗の拳・パートⅡ」に突入する前の時代設定となっており、ケンシロウがユリアを連れて安息の地を求め旅している途中に登場してきます。
よってこの安息の地にて、ケンシロウがユリアを看取った時期としましては、リンとバットが成人するまでの数年間、と考えるのが相応しいところです。
言うなれば、「北斗の拳」の物語で言うところの、一時的な平安のご時世にも当たる時期でして、こんな時期に登場したショウキという人物は即ち、他のキャラ達とは異なるような役どころを果たしたとも言えます。
それは、この一見「空白」とも呼ばれるような時期に登場した人物であることからも、ショウキは極めて希少価値の高い証人として、注目されるべく人物の1人でもある、という事です。
「北斗の拳」でのショウキとは、いかなるキャラだったのか
という事で早速、このショウキという人物、具体的にはいかなる拳の持主で、どんな運命を辿り続けて来たのか。
ここからお話ししていくとします。
まずは前述のケンシロウと初対面したあの時におけるやり取りから入っていきます。
ケンシロウが通りすがりに悪党たちを打ち破ったその村とは、実はショウキ達の土地でした。
即ちショウキは、ケンシロウを命の恩人として、ユリアと共に安息の地を提供してくれたのですが、ケンシロウに彼自身の名を聞くように問われた際、
聞けば闘うことになるかも知れない
と断ったのでした。
まあこんなセリフからも、如何にも「北斗の拳」においては、訳アリな宿命の持主だな、と気付かれる決定的なやり取りでもありました。
またこの際のショウキによるセリフとしましても、「久しぶりに心が温かくなった」とあるように、かつては例外なく、例えば山のフドウや義の星の漢・レイのように、人としての心を一切捨て、非情なる運命に身を置いてきた、そんな生き様が垣間見れます。
そんな役柄のショウキが、「北斗の拳」はパートⅡへと突入し、再び天帝の勢力台頭によって戦乱の世へと転じた時期には、鎮圧するために反乱を起こしたのです!!
というのも、実はこのショウキ、元斗皇拳の流派の者でして、当時その元斗皇拳伝承者として頂点に君臨していたファルコとは、元々友人だったのです。
それだけではありません。
さらにこのファルコは、皮肉にも何の拳も持たず、戦士としては全く役に立たない無能なジャコウという男の僕となり、世を支配していたのです。
よってショウキはそんなジャコウを許せなかったのですが、さらにこのジャコウは天帝をも幽閉していました。
ここで、ジャコウを倒すのを目論んだショウキでしたが、不本意にもファルコの闘気によって仮死状態にされた上、唯一の脱出場所とされていた運河に流され、この友との非情な決別を強いられたのです。
そして運河の途中でケンシロウと巡り合うも時すでに遅し、ジャコウの息子が放っていた槍に射抜かれ、非業の死を遂げてしまったのです。
「北斗の拳」でのショウキの生き様から、現代人が学ぶべきこと
言うまでもなく、このショウキも例えば海のリハクやマミヤのように、「北斗の拳」においては出来る限り長く生き抜いてほしかった、そんなキャラであることには変わりありません。
ちなみにまた、テレビアニメにおいては、原作にはないケンシロウとの格闘シーンがありますが、ショウキはケンシロウに拳の裏に隠された非情なる宿命及びそれに伴う悲しみを見抜かれたのでした。
この場面を見る限りでは、愛好家達の中にはショウキを弱小キャラだと指定したくなる人もいるかも知れません。
しかしそれはまさに、「北斗の拳」においては、戦闘と平和の狭間で例えようもない葛藤を繰り返していた、ショウキなりの生き様の現われだとも、読み取れます。
この複雑な葛藤は、「北斗の拳」においてはショウキだけに限ったものではありません。
ケンシロウがこれまで拳を交え続けてきた対戦相手達の中には、多かれ少なかれあのように覇権と平和構築との狭間でさまよい続けてきた、そんなキャラが描かれ続けて来ました。
このような複雑な葛藤とは、「北斗の拳」のように、力が全てのモノをいう戦乱のご時世ではなくとも、何らかの避けては通れない変化の荒波を乗り超える際には、誰もが乗り超えねばならない対象でもあります。
従って、今回お話ししたショウキというキャラの生き様もまた、我々がだ日重なる変化の荒波を乗り超えて生き抜いていくための、最大のお手本として学びたいところであります。
今回お話しした「北斗の拳」は新章におけるショウキのお手本的な生き様は、下記よりご視聴いただけます。👇
但し、原作漫画とテレビアニメでは、異なる場面もあります。
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