「北斗の拳」はカイオウとヒョウとの、悲しきまでの信念に殉じた生涯
今回はこれぞ「北斗の拳」において真なるクライマックスを飾ったとして語られるべき、カイオウとヒョウという、北斗琉拳の二大巨頭による役どころを、各々改めて見直していこうと思います。
このまさに、「北斗の拳」の物語における源流とも言える両雄を見直すに当たっては、過去にもお話ししたところと重複の点も出て来るとは思います。
それでもなお、改めておさらいの意味をも込めて、ケンシロウとの闘いの場面も含め、そして遥か昔を回想しつつ、両者の生き様に迫っていくこととします。
まず始めに、「北斗の拳」修羅の国編においては、即ち第1の羅将がカイオウで、第2の羅将がヒョウという、そんな格付でした。
流派としては、源流を辿ればケンシロウにラオウ、トキらと同じく北斗宗家の内の、北斗琉拳の使い手でした。
よって、北斗琉拳は北斗神拳のようにあくまで一子相伝ではなく、カイオウにヒョウを筆頭として、シャチという風に修羅に国においては羅将として、実力ごとに等級化されていたものだと思われます。
つきましては、これよりカイオウ及びヒョウもまた、ケンシロウの強敵として拳を交えた名場面を復習しつつも、両者の辿ってきた生涯をそれぞれ振り返っていこうと思います。
これにより、改めてカイオウとヒョウとのそれぞれの宿命とは、どういうところにあったのか。
みたいな問いを解くことによっても、「北斗の拳」におけるカイオウとヒョウの存在価値がまた、新発見できるのではないか、と考えております。
「北斗の拳」におけるカイオウとヒョウとの関係を見直してみて
ズバリ!! 言ってしまえば、「北斗の拳」修羅の国編においては、カイオウとヒョウとの関係は、どのみちあのラオウとトキとの関係と一見比較されがちな第一印象でもありました。
がしかし、よくよく見直して見ると、一見似て資質的に決定的に異なる、そんな点もありそうな気がします。
まず、カイオウとはラオウの実の兄でもあり、修羅の国においては、一切の情愛を捨てて生粋なる修羅として頂点に君臨しつつ、果ては「悪」こそがこの世を治める神髄であるとしていました。
そんなこんなで、ヒョウを洗脳して記憶を奪い、ケンシロウが実の妹サヤカ殺害の濡れ衣を着せたりしつつ、この実の兄弟同士である2名を相打ちにしようと企んだこともあります。
確かに魔闘気により、一度はケンシロウに圧勝はしたものの、最終的にはケンシロウが心身に刻み続けてきた、愛の名のもとに屈することとなってしまいました。
次にヒョウですが、彼も元々カイオウと共にジュウケイを師として、北斗琉拳を学んできた身でした。
彼は典型的な優しい性質の持主で、かつて幼少期にカイオウと吊り橋の上で勝負をした際にも、それを師に見抜かれていたようです。
よって、ヒョウは自分の優しさゆえに、カイオウを真なる英雄とすることが出来ず、その歪んだ暴走を止めることが出来なかったのだと、最期にそう悟りました。
※「北斗の拳」でのカイオウ&ヒョウと、ラオウ&トキの関係の違いとは
ここに来て、先ほど言ったカイオウとヒョウの関係、そしてラオウとトキとの関係の資質的な違いはどこにあったか。
に重点を置いて話していくこととします。
実は、原作においては修羅の国制覇後のカイオウがラオウと対面の場面もあり、ここでラオウによる、
兄のやり方では天は握れない、よって自分がケンシロウを倒してから修羅の国を制覇する!!
とのセリフが出てきます。
まあ裏を返せば、このセリフはラオウ自身が愛を捨ててはいないところであったと読み取れます。
確かにラオウは、かつて拳王として君臨していた時代には、例えば弟のトキをカサンドラに幽閉していました。
しかし、これもトキが被爆して病に侵されていたために保護してきたものだという表現も相応しいところです。
また、サウザーとの対戦で重傷のケンシロウに手当を施したり、ユリアにも闘気を分け与えて延命の秘孔をついたりと、その情愛に溢れた描写も見どころでした。
まさにそんなラオウもまた、愛深きゆえにケンシロウごときに破れたのだと言い張り嘲笑したカイオウでもありました。
よって、ヒョウもそんなカイオウには手の施しようがなかった、というべきところでした。
一方でトキとしてはいかに、有情(柔)の拳を学んだがゆえに、兄を超えられなかった、と言えども、ラオウが宿命の闘いに敗れたトキに対して、手厚くいたわる、そんな場面もありました。
ついては、このカイオウとヒョウが、「北斗の拳」の完結場面に登場したから尚更なのかも知れませんが、やはりラオウとトキとの関係の差は、愛ということだったのかも知れません。
「北斗の拳」でのカイオウとヒョウの、各々が辿った宿命の完結の場面
よってこれより、神拳対琉拳による、「北斗の拳」のその完結場面を語っていきます!!
先ほど愛こそが「北斗の拳」自体のメインテーマである、という風に言いましたが、実はケンシロウのカイオウ戦においても、この愛というセリフが登場するのです。
それは、ケンシロウが伝承者に選ばれた日のことでした。
ラオウより、「もし俺が倒れたら、自分は兄の哀しみを知り、誰よりも尊敬していた」と伝えてくれ、と告げられました。
また併せて、ケンシロウも涙を流しながら「歪んでいたなら、倒すことこそが愛!!」との熱きセリフを、カイオウとのラストバトルの際に残しました。
その結末としましては、カイオウは自らの弱さゆえに悪に魂を染めてしまった、取り返しの付かぬことをしてしまった、と悟りました。
また、ケンシロウとの対戦で重傷を負っていたヒョウもそこに駆け付け、彼としてもその「愚かなほどの愛に生きた」生涯に、カイオウに抱かれながら終止符を打ちました!!
よって、「北斗の拳」修羅の国にて、悲しくも非情を極めたカイオウ、そしてヒョウという強敵達が宿命の幕を閉じると共に、この物語自体も遂に完結を迎えたのです!!
今回紹介した「北斗の拳」の物語の完結編にも当たる、カイオウとヒョウの生き様は、下記よりご視聴いただけます👇
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