レッドツェッペリン最高傑作「カシミール」を今振り返って
今回はレッドツェッペリンに関する話題を本サイトに置けるアイアンメイデンのような、大黒柱的存在として紹介していこうと思います。
レッドツェッペリンと言えば、愛好家達にとっては最高傑作として、「ロックンロール」に「ブラックドッグ」、更には「天国への階段」に「移民の歌」辺りが言わずと知れたところでしょう。
それが今回としましては、より一層なる最高傑作としての名曲「カシミール」に関して、紹介していきます。
話はあちこち行きますが、今さらながら振り返ってみると、レッドツェッペリンで言うところの最高傑作とは、アルバムというよりもむしろ一曲一曲そのものであったという印象が強いところであります。
勿論、この件に関しては、アイアンメイデンなんかも大いに当てはまりはします。
ただ少なくともヘヴィ・メタル文化においてはむしろ例えば「頭脳改革」や「パワースレイヴ」等々、アルバムそのものの全体像が重視されている、というのが正直私なりの独断と偏見でもあります。
そういう視点からすると、今回お話しする「カシミール」にせよ、「ロックンロール」にせよ、あくまで一曲一曲がどれほどまでに差別化された高度な最高傑作であるか、てなところでもあります。
つきましては、本サイトにおいても紹介したことのある「ロックンロール」や「天国への階段」同様、「カシミール」が如何なる独自性を保有し、音楽文化において如何なる先人としての歴史的お手本となるべくか。
こここそを決して捉えて離さずして、レッドツェッペリンによる最高傑作「カシミール」を紹介していきます。
レッドツェッペリン最高傑作「カシミール」に込められた孤高性
今回の私としては正しく、この「カシミール」なくしてレッドツェッペリンは語れず!! と声高に提唱したいほどの感覚でもあります。
元々はレッドツェッペリン通算6枚目のアルバム「フィジカル・グラフィティー」(1975年発表)からの一曲です。
この曲の由来については、ヴォーカルのロバートプラントが、アフリカを旅行中にひらめいたと語り継がれているところであり、そのエキゾチックな民族性がレッドツェッペリンにしか実現不可能な旋律にて、余すことなく描写されております。
そんな「カシミール」に描写された世界観をまとめて見ますと、ざっと以下のような感じになります。
アフリカの広大な砂漠において、過酷な旅をしつつもそこに人類の高度な叡智を見出していくかのような、そんな神秘性がまず大きな第一印象でもあります。
このタイトルそのものにつきましてもズバリ!! 地名から命名されたものでもあり、その位置とはインドとパキスタンとの国境当たりのカシミール地方を意味しております。
それでは、カシミールと命名したバンドなりの動機とは、一体如何なるものであったか、ここもまた是非とも押さえておきたいところです。
ここについては、恐らく曲を生み出す過程において、何らかの計算されたコンセプトみたいなものがなく、むしろ客観的なイメージなり直感を重視したものであると考えられます。
元々この一曲の全体像的なイメージとしましては、アフリカにアラビア、そしてインドという風に、土地柄的にもエキゾチックな性質を前面に押し出した最高傑作と見るのがよいでしょう。
そしてそのイメージ的な結果論として、「カシミール」なる地名がひらめいてきた、という風に感じ取れます。
併せてまた、この「カシミール」なる最高傑作とは、いかなる音楽性だったのでしょうか。
まず旋律からして、古典的な民族性を最大限に演出したいという事もあってか、DADGADチューニングという、特有の演奏技術が採用されました。
曲調としましてはそんなチューニングのお陰もあってか、古典的でありながらもかつヘヴィーな音質を失わず、スロウテンポでじっくりとした、劇的な展開になっております。
またそんな曲調に合わせて、プラントの歌唱としてもまさに人類の歴史文化を語り上げていく、ストーリーテラーのような役どころでもあります。
話しはそれるようですが、かつてペイジが90年代初頭において、当時ホワイトスネイクを解散していたデイヴィッド・カヴァーデイルと共に「カヴァーデイル・ペイジ」なるプロジェクトを組んでおりました。
そこでもまたツアーにおいてこの「カシミール」が演奏されたのも覚えております。
最も、人それぞれ好き嫌いの感情はあったでしょうが、私自身としましては、ペイジのプレイもぶれることなくその演奏に乗せたカヴァーデイルのヴォーカルとしても、当たり役だったという印象が今も強く残っております。
また「カシミール」と同じアルバムに収録されていたレッドツェッペリンのその他の最高傑作としましては、ファンキーな要素をふんだんに取り入れた疾走ナンバー「トランプルド・アンダー・フット」なんかも、絶賛したいところです。
レッドツェッペリン最高傑作「カシミール」も、語り部としてのお手本
言うまでもなくレッドツェッペリンもまた、元祖ヘヴィメタル・ハード・ロック文化の重鎮として、全世界的に語り継がれてはおります。
しかしまた、ここで1つ彼らを語るに際して、改めてわきまえておきたい焦点があります。
というのも、いくらある一つの先駆者的・発明家的存在と言える人物達であっても、必ずやその生涯においては、先人達の歴史的お手本なくして成功はあり得なかった、と言うところです。
例えば、アイアンメイデンなんかもいかにヘヴィ・メタル文化の発明家であると言えども、戦争から宗教、そしてSF映画に至るまで、いかに先人達のお手本が不可欠であったかもまた、教えられてきました。
即ちアイアンメイデンとしてもまた、レッドツェッペリンとも同じく先人達の叡智を受け継いでいく語り部であり、彼らによって受け継がれたそんな叡智を我々もまた享受できている、と言うところです。
中でも特に今回紹介した「カシミール」に限らず、レッドツェッペリンによる名立たる最高傑作達においては、あくまでも忠実で素直に先人達の歴史から学ばんとするまでの姿勢が現れております。
このような学びの姿勢を我々としてもまた、日頃から養っていくべくものであります。
今回紹介したレッドツェッペリンによる最高傑作「カシミール」は、6枚目のアルバム「フィジカル・グラフィティー」からの選曲として、以下よりご視聴いただけます。👇
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