「北斗の拳」天帝編・ジャコウの無残な最後が物語る、決定的場面
「北斗の拳」でジャコウが最後まで貫いた、天帝の威を借る狐の生き様
「北斗の拳」天帝編で、話はあちこちと言ってはいますが、今回は遂に天帝死守の名のもとに、虚勢を張り続けファルコ達を制圧し続けてきた、ジャコウが最後を迎えることになった話題についてです。
前にもお話ししましたが、このジャコウなる存在は、帝都の最高位に君臨する立場でありながら、「北斗の拳」歴代キャラとは決定的に異なり何の拳の持主でもなかった、というところがまた見どころでもあります。
それ故に、何でこんな奴が「北斗の拳」の権力者に? みたいに思われるのも当然であります。
私も例外なくそんな感覚ではありました。
ただ、何度も今まで言ってきたように、「北斗の拳」とはあくまでただ単に拳法のカッコ良さ、そして強さを見せつけるだけの物語ではない、という事も同時に教えてくれたのが、このジャコウという孤高のキャラでもあります。
言い換えれば、ここまで鋭い知恵の働く覇者もまた、力こそが全てものを言うべく「北斗の拳」の凄絶な乱世においては不可欠であり、その狡猾な知恵を最後まで貫いたのが、このジャコウということでした。
しかしこのジャコウ、ただ単に狡猾さだけが売りではなかったのです。
何よりも「北斗の拳」史上における、誰もが足元に及ばないほどの、ザコキャラの集大成であった、という点も見逃せません。
第一、ジャコウの声出演自体が千葉繁氏、という設定からしてみても、いかにそのキャラがそこらにいるザコキャラではなく、爆笑キャラとまで言える、孤高の存在であったかを教えられます。
そのジャコウの思考からしても、爆笑ものです。
かつてラオウと対面、九死に一生を得たという体験そのものにより、暗闇恐怖症に陥っていたのがきっかけで、奴隷を使って帝都の発電機を回すことにより、常に自分が明りに包まれていなければならない、というものでした。
「暗ーーーーーーーーーい!!!!!」
「帝都に光をーーーーーーー!!!!!」
と絶叫を続け、もしや千葉繁先生の意識がなくなってしまったのではないかなー、とまで感じた、「北斗の拳」史上最もエキサイティングな一場面でもあったのです。
こうして、ジャコウは自らの実力なくして臆病者であるにもかかわらず、常に最後の最後まで天帝死守を盾にして、自らを帝都と共に破滅に陥れていったのです!!
「北斗の拳」天帝編における、ジャコウの地獄すら生ぬるい最後の場面
こうしてジャコウは、「北斗の拳」天帝編における一大クライマックスとしての、ケンシロウ対ファルコの闘いの最後の場面も見届ける型となったのです。
前にも話したように、この対ファルコ戦の決着に一役買った存在こそが、まさに「北斗の拳」新世代の孤高の存在であるアインだったのです。
このアインこそがなぜ、ケンシロウとファルコの闘いの最後を見届けられなかったのか、と思うと何とも言えず残念ではありますが、同時に遂にジャコウのそれまでの行いに対して、容赦なき裁きが下った、最後の場面でもあったのです。
ここでまた、ファルコの名を出すことによって、なぜファルコがジャコウごときに、という思いが沸き起こってくるかも知れません。
確かに、ファルコなりにはかつてラオウの手が天帝の村に伸びた時、ラオウに言うとおりにジャコウの邪悪に満ちた心を見抜き、止めを刺せなかったのは、全てが自らの甘さだとは悟っていました。
したがって、まさにこの際ファルコが今まで自らの甘さが招いたジャコウによる、ジャコウに洗脳された悲劇の運命に止めを刺そうと、
「恨みなどという言葉では生ぬるい!!!!!!」
と、ジャコウに怒りの拳を見舞いました。
ちょうどかつてのケンシロウのジャギに対する、
「きさまには地獄すら生ぬるい!!!!!!!!」
というセリフに値しております。
かくして、ジャコウが無残な最後を遂げたのと同時に、帝都による圧制にも終止符が打たれ、更にこれよりケンシロウ達はそれまでにはなかったほどの、劇的な宿命の旅路へと突き進んでいくことになります。
「北斗の拳」におけるジャコウの、「ザコ巨頭」なりの最後までの信念
今回のジャコウに関する投稿についてまた一つ、言えることがあります。
それは、邪悪なザコキャラなりにも、それに相応しいだけの信念を各自が持ち合わせていた、という真実です。
ただまあ、このジャコウに関して言えば、最後の最後まで何の拳も持たずに一大権力の頂点に立てたのは、それだけでも「北斗の拳」史上屈指の生き様であったな、というところです。
繰り返しますがなぜ、いかにしてこのジャコウがどういう手段を用いてあそこまで上り詰められたのか、確かに疑問や謎を醸し出します。
がその一方ではまた、他のザコキャラ達よりも一際目立ったキャラで、ジャコウならではのユーモアでコミカルな場面も見せつけてくれたな、というところでもあります。
言い換えるなら、「北斗の拳」においては、どんな邪悪なキャラ達も、それぞれの信念を最後の最後まで貫き通したお手本であった、という真実を、このジャコウは決定的に実証してくれております。
今回もまた、下記より「北斗の拳」天帝編における、ジャコウの最後をご視聴いただければ、何よりかと思います。👇
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