「北斗の拳」の物語りで、マミヤの準ヒロイン的な真価を見出す
「北斗の拳」では、マミヤがユリアに次ぐヒロインとしたい動機
「北斗の拳」の物語においては、マミヤなる女性の印象についても、ケンシロウの恋人として高く認知されているユリア同様に、ヒロイン的なものであるだろうと思います。
ここでまずは、「北斗の拳」の物語におけるマミヤのヒロインとしての格付けですが、私としては、ユリアの次に値すると同時に、リン(成人後も同様に)と肩を並べるべく位置づけである、という感覚です。
私なりには、「北斗の拳」の番組にマミヤが初登場した際の第一印象からして、紛れもなくユリアの生き写しと称するに相応しい、てな感じでした。
但しその一方ではまた、「北斗の拳」の時代が時代だという事もあってか、マミヤがケンシロウと初対面に対していきなり彼女の十八番とするヨーヨーを投げつけて、自らの村を守るための戦士であるという事を教えようとしたのです。
あくまで今回お話ししていきたいマミヤについては、「北斗の拳」のヒロインの最高位であるユリアでさえも持っていなかったものを持っていて、もはやそのユリアとは対照的とも言うべく関係にもありました。
というのも、マミヤ自身が元々闘いの道を選んだ、というよりも選ばざるを得なかった動機が存在しました。
以前にも書いた通り、マミヤが20歳の誕生日を迎えたその日に、南斗六聖拳の1名である妖星のユダに両親を殺害され、拉致されてしまったのです。
以後マミヤは「ユダの女」として、過酷な洗脳生活を強いられてきました。
そのユダから命からがら逃げだしたマミヤが、生前の両親の後を継ぐという型で、闘い続けることを運命づけられたのです。
これによりマミヤは、この乱世になくてはならないほどの存在として、以来牙一族を始めとした野党たちにも身を賭して立ち向かったりと、自らをして「女を捨てた」と言わしめたほどまでに、その健気な姿勢を貫いてきたのです。
そういう視点からは、あくまでこの「北斗の拳」の物語における混乱の時代においては、マミヤはなくてはならない存在であったことには、変わりはありません。
「北斗の拳」の物語でのマミヤによる、愛のために尽くしたお手本
「北斗の拳」では、マミヤ自身がいかにも「女を捨てた」「愛されることを放棄した」代表的なヒロインとして、認知されては来ました。
それでも、少なくともケンシロウにレイとも共に戦い、そしてレイの宿敵であったユダとの最期の決着を見届けた以上は、マミヤは強がりながらも2人の漢のために身を尽くしたというのは、疑いようはありません。
マミヤはまた捨て身にて、かつてトキが囚われていたカサンドラを突き止めたこともあります。
その動機としても、ケンシロウの北斗神拳伝承者としての、その非情の定めに生きる苦しみを少しでも和らげたかったから、という話は、実は語り草ともなっております。
更にマミヤにとっての決定的な場面こそが、レイがユダとの宿命の死闘にカタを付けた後、ラオウとの闘いで突かれた秘孔がもとで凄絶な最期を遂げたことでした。
レイがマミヤに対して、「女としての幸福を追求して生きろ」という遺言を残し、誰にも見られないように倉庫にこもって絶命する姿を見届けた後、マミヤに死兆星が消えるまでの彼女自身の表情にも着目したいものです。
それはかつてマミヤが、ケンシロウやレイと初対面したあの時の、強気に満ちた表情ではなく、まさに愛するものを失った、とも言える表情だと感じ取れました。
またマミヤ自身としても無意識のうちにも、レイからの愛に報いるためにもこの時代を生き抜かねばならない、という思いが死兆星を消し去ったのではないでしょうか。
「北斗の拳」の物語においては、そういった視点からもまた、ユリアとは対照的でありながらも決定的なヒロインとしての価値がこの上なく高いものであった、と言うに値するものです。
随分先の話にはなりますが、「北斗の拳」の物語の原作においては、少なくともマミヤが最終場面の完結のところにも登場しております(厳密にいえば、テレビ番組の「北斗の拳2」に当たる場面で、ケンシロウがラオウを倒し、そしてバットとリンが成人となったその後においても、マミヤは生き抜くことが出来たのです)。
それほどまでに、「北斗の拳」の物語においては、マミヤたる存在もまたいかに重役を果してきたか、改めて教えられたという感覚ではあります。
従って、我々が生きる今日の社会に於いてもまた、このように口先と上辺だけではなく、人のために尽くせる健気な女性の決定的なお手本となってくれるはずです。
幾度となく紹介している「北斗の拳」の物語ですが、以下よりアニメのご視聴が可能です。👇
※以上に紹介した内容としては、「徳間書店」より2004年に初版発行されたコミックからの情報です
従って、原作とは場面が異なる場合もあります。
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